スタート 酔人問答④〈ゑひ[酔]の決意〉

ゑひ[酔]の紹介
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2023年3月25日21時、上原と若洲の二人は、それぞれ自宅からオンライン会議システムZoomに参加した。紆余曲折あって、6時間ほど話し込んだ。これをゑひ[酔]のスタートということにしている。この「酔人問答」シリーズはその記録であり、今回はその最終回である。

話し手

ゑひのメンバーは次の通りです。上の名前だけでもぜひ覚えてください。たまたまですが、どちらも東京23区内にある地名であることは共通しています。

上原温泉(うえはら・ゆみ)

若洲至(わかす・いたり)

目標と決意

上原 2人は互いに届かない、違うからこそ面白いものが生み出せるのではという話、それはそうだと思っています。好きな作品も目指す作品のありようも、全く違いますからね。

若洲 そうですよね。上原さんの理屈を離れた世界には、まだ私はたどり着けないんです。

上原 だとしたら、若洲さんは、どんなものを生み出したいみたいな、展望はどこに?

若洲 アウトサイダーアートを含め作品が生まれる過程って、外界があって、それが作者の脳内の世界に一回入って、それを出力する過程と捉えられると思うんですよ。だから個性というか自分と他の人との違いは、外界を認知・認識する過程と、認識を描写するテクニカルな過程の2段階にある。雑に言うと、認知・認識のほうは粗いとか細かいの軸になりがちですが、それはどちらがいいという話でもなくて、どちらでも良いはずだと私は思うんです。そのままを肯定できるように、そういう環境をゑひ[酔]では作ってみたいんです。だから内外のものを、私は「意味わかんねえ」とか言わないようにしたい。

上原 (笑)。まさに私、俳句の初期は特に「意味わかんねえ」と言われる側でした。それは句の稚拙さゆえに、本当に伝わらなかったのだと思います。それが俳句を学ぶことによって、表現が踏ん張れてないとか、推敲が足りないとか、そもそも作り方自体がダメだ!とか、粗ばかりが目について、思考が減点法になっていったんですよね。ちょっと反省し過ぎて、意味わかんねえと言われない作り方を意識し過ぎてしまった。若洲さんのような精緻な作り方を目標にしていた時期もあったんですよ。今はタイプの違いを自覚したので、その指向から元の自分を解放してやる必要を感じています。ところが今度は、刷り込まれた “天の声” が脳内に響いてしまって「意味わかんねえ」に戻る道がわからない。実はそれもう「戻る」とは違うからなんだろうなとも思いますけど。

若洲 俳句と短歌の棲み分けの話は先ほど(酔人問答③〈アウトサイダー・上原〉)ありましたが、俳句のほうは謎解き的アプローチとも言える、前例となる句や前提となる文化からの影響が色濃いと個人的には思っていて。だから私はその謎解きの仕方も、どんどん伝えていきたいんです。

上原 対する短歌は、私はよくわかっていないから、言い換えれば、俳句を始めた頃のような柔軟性がまだあるし、詩形としても独自の認知をどんどん出していけそうな予感があります。直感的に作りたがる自分の欲を短歌の形で満たすのは楽しいです。そして俳句については若洲さんの助言が刺さったので、意味わかんねえ昔の句に戻るのではなくて、「脳内世界の写実」へ進化させるということ。太宰治やエゴン・シーレに心酔していた頃まで戻って感情の海を泳いでしまうと、俳句ってできないんですよね。お蔭でどこに軸足を置けばよいかがはっきりしてきました。

若洲 それは良かったです。私がこれを言い始めたのは、旅行の移動中に『俳句とはかく解しかく味わう』(高浜虚子著、岩波文庫)を読んでいて、そこで俳句の本質は写生にあると何度も繰り返し述べられていた印象が強いからなんです。いろいろ条件はありますが、でも写生の範囲であれば、まず俳句から逸脱することはないんですよね。それが成功して一定以上の共感や理解を得ることができたら、それは上原さんの大きな成果になるはずで、ぜひそれはゑひ[酔]で成し遂げたいです。平板な言い方になりますが、上原さんが感情を言葉に素直に載せると、俳句の地平を切り拓けるような気がしていて……

上原 そうなんだ~(笑)。すごい大きな話。今の話は自分にとって大事な気がするなぁ。

若洲 感情というか、内面をうまく写生できる俳人ってそんなに多くないと思っていて、それができたらすごいっていう話です。

上原 内面を写し取るのは大変な作業になりそうですけど、それにつけてもやっぱり技量なんですよね。上手い句を作るため、ではなくても、伝える・伝わるための訓練は必要なので。

若洲 それはそうだと思います。上原さんの方針が整理されてきているようでうれしいです。

決意

上原 ゑひ[酔]、ようやく定期発表できそうなところまでこぎつけましたね。

若洲 いや~ありがたい限りですね。ただ私は構築までやって満足してしまうことが多いので、ここからが肝心だなと思います。ちゃんと動かし続けなければと思っています。

上原 まずは中身を良くしていくことに尽きますね。

若洲 ホームページ、noteなどいろいろな媒体で発信しようと考えていますが、状況が整ってきたら自分たちからのアクションも増やして、上原温泉さんを、俳句の世界だけでなく世の中に広く推薦していきたいです(笑)。ボーダーレスであることを我々は強みにできるはず。面白いですよ、これは。

上原 では暴れましょうか、なんてね。小心者なので、つられた自分がどうなっていくのか予期不安(笑)。

若洲 俳句の世界の人たちにも、いつか伝わるといいですね(笑)。

2人 頑張りましょう!

2人の挑戦はこれから始まります。皆さんどうぞよろしくお願いいたします!

酔人問答シリーズはこちらをチェック!

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